三上×レイ
ほんの少し、温かな春①
三上
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最近同居することになった彼は、結構問題児だ。
「パスタ作ったから食え」
「……食べる意味は?」
「おいおい、ルイに会いに行くんだろ?健康じゃないと」
「別に。会いに行きたいとも思わない。ルイが幸せなら良い」
レイはとにかく無気力で、食べることも、眠ることも、通常の人より随分苦手だ。
折角俺が無償で裁判をしてやったのに、全くもって困った奴だと思う。
「ルイに会いに行くか」
「……いや」
ほんの少し黙るのは、やはり会いたい気持ちもあるのだろうと思う。
人生を一度諦めた人間だ。
全体的に投げ出すことが多く、
多くを求めない。
ただ息だけを吸って、生きている。
「出かける準備をしろ」
「なんで?」
「ルイのいる施設へ行く」
レイはぼんやりと自分の手のひらを見つめる。
入院しているときから、手を見つめることが多かった。
人間を撃ったその手に、何を思っているというのだろう。
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最近同居することになった彼は、結構問題児だ。
「パスタ作ったから食え」
「……食べる意味は?」
「おいおい、ルイに会いに行くんだろ?健康じゃないと」
「別に。会いに行きたいとも思わない。ルイが幸せなら良い」
レイはとにかく無気力で、食べることも、眠ることも、通常の人より随分苦手だ。
折角俺が無償で裁判をしてやったのに、全くもって困った奴だと思う。
「ルイに会いに行くか」
「……いや」
ほんの少し黙るのは、やはり会いたい気持ちもあるのだろうと思う。
人生を一度諦めた人間だ。
全体的に投げ出すことが多く、
多くを求めない。
ただ息だけを吸って、生きている。
「出かける準備をしろ」
「なんで?」
「ルイのいる施設へ行く」
レイはぼんやりと自分の手のひらを見つめる。
入院しているときから、手を見つめることが多かった。
人間を撃ったその手に、何を思っているというのだろう。
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