温かな春~(同性)小説サイト~

冷たい朝

あさ

 ←あさ →あさ

体中が痛くてたまらなくて目がさめた。

おきた、おきたの。
朝はどこにあるのだろう。


体をのりだしたら、つよく打ち付けられておもわずうめいた。


それでも、手と足を一生懸命にうごかしてすすむ。

おくの部屋には、ヒロトがいた。


そういえば、ヒロト一緒だったの。
ヒロトは先におきていたから、きっともう朝をみたのかもしれない。


「何ベッドから落ちてんの」

「起きた…っあさ、ある……?」

「そりゃあるよ」


心臓がどきどきした。
本当に、そこにあさはあるのだろうか。

ベランダへ通ずるドアは、カーテンがしまっていて、
そこからぼんやりと光がさしこんでいるような気がした。


息をすることさえわすれていた。
この感情を、どう表現したら良いかわからない。


「かくして、ある。朝、みる。朝……っ」


なんとか朝を見ようとカーテンを引っ張るけれど、全くあかない。

パンの袋よりも、ずっとずっと難しかった。


ぎゅっとカーテンを掴むけれど、それは動こうとしない。


「ないの、あさ」

「うっせーな」


面倒くさそうにたちあがったヒロトが、ずかずかと歩いてきてカーテンを開けた。


途端、見たことのないような光につつまれる。


「な、これ、目開けられな……」

「今まで長く暗闇の中にいたんだから当たり前だろ。
直視するな」


一生懸命まばたきをした。

まばたきをすればするほど光に慣れて、ゆっくりと視界に”あさ”が飛び込んでくる。


――この気持ちを、なんというのだろう。


痛みもすっかり、わすれていた。


「……朝、ある」


くちびるが震えて、鼻がじんとして、胸がぎゅっとなる。

けれどぼくは、この気持ちを何というか分からない。


「……っあさ、ある!」


まぶしい光が、ぼくをつつむ。

たくさん、生きてきた意味はないといわれてきたけれど、

きっと、きっと、ぼくはこれを見るために、うまれてきたの。




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~ Comment ~

眩しい朝☆

やっと【朝】が見られたね♪
ずっとずっと見たかった朝…
初めての思いを感じて、表現出来ない感情が溢れて、ホントに良かった♪
これから、絋斗サンの傍でずっと温かい朝を迎えて行けるね…朝陽クン♪

朝陽に朝を見せてくれたヒロトに、
改めて有難う(´・ω・)(´_ _)♪

ぶわっ

あさひちゃんの言葉に出来ない心情がぶわっと流れて来て、涙が止まりません。私達にとっての当たり前は当たり前では無い世界で育てられた子達を思うと胸が痛い。これはお話かも知れないけど、本当にそういう世界でしか生きられない子達が少しでも減るように、居なくなるような世界を作って欲しい。欲しいぞ議員の皆さん。選挙選挙と騒いでいるが、仕事をちゃんとしろよ政治家。と、選挙カーの煩さで起きた今日。

もこさん、皆様、台風が近付いております。お仕事や御用の有る方もいらっしゃるでしょうが、お出掛けの際には、呉々も呉々もお気を付けくださいませ。

そうだよ!
あさひ!!

これからは、たくさんの愛を知るために生まれてきたんだよ!!高槻さん、あさひをたくさん愛してあげてください!!
このまま、二人のエピソードが見たいです!!宜しくお願いしますc(>_<。)シ*

涙が止まりません。
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