温かな春~(同性)小説サイト~

冷たい朝

おかえりとさよなら

 ←おかえりとさよなら →あさ

少しずつ、いたみがやわらいでいくようにかんじる。

まぶたが重くて、意識がなくなりそうっておもう。


「……ここで、寝たらだめ?」

「だめに決まってるだろ、俺ももう帰るし」

「……ここ、ベッド、すき。
外に出たら、どうやったらこんなベッドでねむれるの?」

「そんな心配はしなくて良いと思うけど」

「そうなの、深く考えなくてもベッドで眠れるってこと?」


それは、なんてうれしいことなのだろうとおもう。

ぼくは、ずっと冷たい床でねむっていたから、
こんなベッドがあるところなんて、ずっと、ずっと、知らなかった。


薄れていく痛みの中で、ここちよさをかんじる。

うん、これは、すき。


まぶたが重くて、きづいたら眠っていた。

そのあとすごくすごく痛くなったけれど、
高槻さんはなぜかぼくをかなしい目でみて、そばにいてくれたの。


痛いは、しかたがないよ。

いくらでも、うん、うんってする。


それを我慢したら朝がみれるっていうのなら、
いくらでも、がまんするの。


――話声がして目をあけたら、
施設長さんと、高槻さんがおはなししていた。


「……あ、施設長さんだ。おへや、いく?」

「うん、そうだね人形。行こうか」


体をおこしたら、目の前がぐらぐらした。
たおれそうになったけれど、一生懸命からだを支える。


「施設長さん、すごく痛いの、我慢したら、出れるって言ってたよね……?」

「うん、出れるよー嘘はつかないよー」

「外でたら、朝、見る。……朝は、お日様が、ニコニコなの」

「うんうん、そうだねえ」


施設長さんが、けらけらと笑う。
こうなったら、はやく痛いしてくれていいの。

おひさま、みたいなぁ。


おへやにいこうとするぼくに、高槻さんが何かを話す。

言葉の意味は難しくて、よく分からない。


”じっけんたい”とか”もってかえる”とかなんだろう?


あまり働かない頭でぼんやり考えていたら、お腹に衝撃が走って施設長さんに蹴られたのだと分かる。

その瞬間、ぼくは意識を失っていた。


どこも痛いのに、
誰かにだっこされているみたいな、
温かなかんかくが、すこしだけしたような気がしたの。



もくじ  3kaku_s_L.png 呟き
もくじ  3kaku_s_L.png 冷たい朝
もくじ  3kaku_s_L.png 理人×春
もくじ  3kaku_s_L.png 翔×悠
もくじ  3kaku_s_L.png 蓮×唯
もくじ  3kaku_s_L.png 高槻×朝陽
もくじ  3kaku_s_L.png 三上×レイ
もくじ  3kaku_s_L.png 春と朝陽
もくじ  3kaku_s_L.png 春と蓮
もくじ  3kaku_s_L.png 全員
  • 【おかえりとさよなら】へ
  • 【あさ】へ
  • Tag List 
  •  * |

~ Comment ~

ギリギリ

うー、施設ちょ〜〜。お前にも蹴りを入れたい。コイツ、なんだかんだでまだ捕まってないんですよね?
あー、殴りたい蹴りたい。嘘つきで、ドSで救いようの無い施設長。本気で腹が立ちます。
そして、ここが一番最初の分岐点。頑張れ、朝陽ちゃん。

明日から、雨模様ですね?傘🌂をお忘れにならないように。
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。
  • 【おかえりとさよなら】へ
  • 【あさ】へ