温かな春~(同性)小説サイト~

冷たい朝

おかえりとさよなら

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それから少し時間がたったくらいに、誰かが入ってくる足音がしたよ。

お部屋のドアをあけてのぞいたら、春は、だれかに抱っこされていたの。

となりには、”レンさん”もいた。

春をだっこしている人は、すぐに、”みやぎさん”なのだと分かったよ。


くやしそうな、泣きそうな目で春を見ていたけれど、
春をみる目は、あたたかかった。

きっとね、春は外で、朝と大切な人を手に入れたの。


そしてその人が、おかえりって、ただいまって、お迎えにきたんだよ。


ぼくは、施設長さんにしらせなかった。


だって春は、きっと、みやぎさんといたいから。


せっかく春とあえるとおもったのに、
また絵本を読んでもらえるとおもったのに、
すぐに、さよならになっちゃった。


あれ?と首をかしげる。

ぼくって、さよならにならないひと、いたっけ。


施設長さん?
ぼくを、殴るひとたち?
高槻さん?


でもみんな、ぼくと会うのはすこしで、
それいがいのじかんは、何をしているのかしらないの。


さよならしなくて良いひとが、いたらいいのに。


ほんのすこし、変なきもちが胸にのこった。

春をぎゅっとだきしめるみやぎさんに、ふしぎな気持ちになったのだとおもう。


顔がひりひりする。
このまえ、たくさんなぐられたから。

指が痛い。
このまえ、痛いことされたから。
どうして、つめはなくなっちゃったの?


ぎゅうっと腕をにぎった。
つよく、つよくにぎったら、他のいたみがやわらぐ気がした。


うん、うん。これなの。
こうしたら、少し痛みがやわらぐの。

うん、うん。

ぼくには、これしかできないよ。



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~ Comment ~

この時から朝陽にとって高槻は少しだけですけど特別だったんですね。単に助けてくれた相手とかじゃなくて今はちゃんと高槻は特別なんだといいなって思います。前ホテルで自分を傷付けてたのもほかの痛みが和らぐからとかだったのもあるんですかね?

温かい心

光の射さない暗闇の中で、理不尽に虐げられて生きてきた朝陽くんなのに、春くんの涙から気持ちを推し測る事が出来て、その思いが叶う事を自分の望みを伏せてまで願ってあげられる、とても温かな心がそなわってたんだ…
だから、この先で高槻さんが纏っていた冷たい鎧を溶かす事が出来、キラキラの光を浴びて愛情を注がれるようになるんですね♪
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