温かな春~(同性)小説サイト~

冷たい朝

おかえりとさよなら

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――それから、何日もたったとおもうけれど、
ぼくの世界はやっぱりまっくらで、何もかわらなかったよ。

高槻さんのおへやでみるぼくのお顔は、
少しも”ぼく”じゃなくて。

ほんとうのぼくはどこだったかすっかりわからなくなってしまったの。


そんなとき、うれしいことがあったよ。


ずっと、長い間いなくなっていた春が、かえってきたの。


でもね、ちっとも嬉しそうなおかおをしていなかった。


ぽろぽろお水を目からながして、「みやぎさん、みやぎさん」って泣くの。

ぼくにはみやぎさんが誰なのかわからないけれど、
春は、みやぎさんという人のところに行きたそうにしていた。

会いたいんだって。


ぼくは、あいたい人なんかおもいつかない。

しいていうなら、春とまた会えたことはうれしいけれど、
彼はもう、ぼくのことなんかおぼえていないかもしれないの。


となりのお部屋からひさしぶりに春の泣き叫ぶ声がきこえたよ。


春がかえってきてうれしいはずなのに、
ぼくの心はきゅうってなった。




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