温かな春~(同性)小説サイト~

翔×悠

プレゼント④

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悠④

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顔に触れられそうになり、慌てて後ろに下がろうとする。
が、ドアにぶつかりそれ以上は下がることができない。


「こらー何持ってんのってー」

「……っさわんな」

思わず、手を顔の前へ持っていく。

触られたくないとか、
怖いとか、そう言ったものは、もう随分こいつに対しては感じなくなってきていた。

あるのは、触られてしまうともっとこいつの中に取り入られてしまうような、何ともいえない高揚感。

これ以上好きになってしまうのは、怖いことでもあった。


「なに?この袋。包装されてるじゃん」

「わ!」


あろうことか、前に持っていった手とともに、ぬいぐるみの入ったプレゼントとは翔の前に差し出されている。


「こ、これは!」

「これは?」


静かに聞き返す翔は、どこか意外な表情をしている。


「その、会社の人に、もらって……っ」

「そういえば、ぬいぐるみのお店の方から渡ってきてたよね」

「弁当屋の常連で、お祝いにもらって。
とりに、行ってたっていうか」

「それならそうと、何で今まで隠してたの?」

「……だ、って」


プレゼントの袋をぎゅっと握りこむ。
あのひよこは可愛いはず……だけれど、
俺が初めて手にしたお金でのプレゼントなんて、
どう思われるか分かったものじゃない。


「ねぇ、ぬか喜びじゃなかったら、たまらなく嬉しいんだけど。
ちゃんと言葉で伝えてほしいな」

「……う」


毎朝出かける時、翔は春のひよこさんを撫でていた。
俺があげた物を、もし少ない確率でも喜んでくれて、
あんな風に、大切にしてくれたら。

ーーああ、もうほんとに馬鹿だ。


期待して裏切られることなんか、慣れているのに。
そしてその度に、もう期待なんかしないって、思ってきたのに。


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