高槻×朝陽
ぼくの心のおかしなこと
夜、星をながめる時は、
ヒロトが、後ろにどんって倒れたら痛いからってベッドに行けって言うよ。
それでも星が見たいときは、くまさんを後ろに置くの。
これなら眠ってしまっても、痛くないよ。
でも、ヒロトはそれを見たら、少しだけ嫌そうな顔をする。
そして、くまさんをどこかにやって、ぼくを抱きかかえるみたいに座る。
ぼくは、胸がぎゅーってなるよ。
こんなの、施設の中では何をされてもならなかったって思う。
「お前は本当に、面倒くせぇ奴」
おでこを擦られたら、あっという間に目が閉じて、
気づいたら、ベッドに運ばれてるの。
ベッドは温かくて、ヒロトの腕とか、顔とか、すぐ近くにあって、
これは何だろうって、おもうよ。
だってぼくは、こんなの、知らなかったから。
今のせいかつは、まるで朝みたいだけれど、
1つ気がかりなこともある。
ヒロトは、ぼくが”じりつ”したら、どこかへ行ってしまうんだって。
文字がかけるようになったり、
お箸で食べられるようになったりしたら、
ばいばいしなきゃいけないんだって。
文字を書くべんきょうは好き。
”あさひ”のお箸も、早く使いたいから練習いっぱいするよ。
でも、どうしてそれができるようになったら、ばいばいなのかなぁ。
~ Comment ~