温かな春~(同性)小説サイト~

高槻×朝陽

眠る前

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朝陽は、家のベランダから外をぼんやりと眺めるのが好きだ。
最近それは、朝だけでなく夜もになった。

「ヒロト、きらきら。夜なのに朝があるの」

「星だな」

「ほし?」

「おい、いいからそろそろ寝るぞ」

「や」


そして良いことなのか悪いことなのか、俺に若干の反論をするようになった。
もともと全く自分の意見を言わないやつだったから、これは成長の1つなのかもしれないけれど。

時計を見ると、0時を回っていた。
そろそろ眠くなるはずなのに、まだ起きて外を見ていたいという。


「うぜえ。俺はもう寝るぞ」

「うんうん」


困ったものだとため息を吐いた瞬間、ぽすんと音がする。
目を向ければ、朝陽が倒れていた。


「……っおい」

――寝ている。
先ほどまでしゃべっていたのに。
やはりまだ、”眠い”を感じて伝えることは習慣になっていないようだ。


「ちゃんと布団で寝ろって。
眠いとか人間の欲求だろ。いい加減覚えろ」

「んう……」


側頭部が赤くなっている。
ただでさえ馬鹿で貧弱なのに、こんな勢いよく頭打ち付けてたらどうにかなってしまうのではないだろうか。


「……ほんのすこし、ねてたの」

「もう寝ろ」

「や」


朝陽が首を振り、もう一度ベランダの前に座って外を眺める。
ふらふらになりながらもまだ見ていたいという夜空は、今日は一段と、星が出ている。

「お前急に寝るから危ないんだっつーの」

「でも、や、キラキラ」


どうしてもそこをまだ離れる気がない朝陽に、仕方ない、と言い聞かせる。
脳震盪なんか起こすと、更に面倒なことになるのは目に見えている。


朝陽の背後に座り、股の間に座らせてやった。
ぼんやり口を開けて空を見上げていた朝陽が、やがて目を閉じてぽすんと俺の胸にもたれた。

気持ちよさそうに寝息を立てている。

床に打ち付けられるより、ずっと寝やすいだろう。


「おやすみ」


そっと声をかける。
これから朝陽が星を見るときは、こうして背後に座って支えてやるしかないかもしれない。


面倒くさい、と悪態を吐きながら、
そのまま朝陽を抱えてベッドへと運ぶのだった。


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