春と朝陽
絵本
蓮さんより
朝陽と春が遊ぶ話
春
―――――――――――――
朝陽の家に遊びに行ったら、嬉しそうに絵本を持ってきた。
前あげた方の絵本で、誕生日に渡した絵本の方は、まだ読んでいないんだって。
「ヒロトが読んでくれないの」
「うっせ。自分で読めるようになればいいだろ」
高槻さんは悪態をついて舌打ちをうつ。
俺なら少しびくついてしまうような動作だけれど、朝陽は何とも思っていないみたい。
「これね、傘なの」
「うんうん、傘だね」
一緒に絵本を覗いてお話をするのは、なんだかほっこりする。
友達みたいって、思う。
「あーなんか落ち着くなーこいつら見てると」
理人さんがそっと笑う。
最近は、落ち着いて生活できる時間が本当に増えてきたと思う。
「ここ、好きなの」
「わ、綺麗だね」
「虹なの。色がいっぱい」
朝陽がめくったページには、一面に虹が描かれている。
聞いたことはあるし、絵では見たことがあるけれど、
実際に目にしたことはまだない。
「これみたいのに、ヒロト、連れていってくれないの」
「確かに見たいね」
朝陽がぼんやりと顔を上げて高槻さんを見つめるので、
俺もそっと理人さんの顔をのぞいてみた。
「宮城さん、情弱な奴らの子守にうんざりすることない?」
「いや、そんなことはないよ。こうやって控えめにねだってくるのも可愛いし。
春。虹は、雨上がりじゃないと見れないから、見に行くってことはできないんだよ」
「そうなの?そうなんだって」
朝陽に話しかけると、彼は少しだけ俯いてぽつりとつぶやく。
「虹、ないって。おしまい」
こんな哀しそうな表情もできるんだなぁと思うと、どこかきゅっと胸が締め付けられる。
「もう少し暑くなったら、虹くらい作ればいいだろ。
ジョウロとか使えば簡単に作れるんじゃねーの」
ぶっきらぼうに投げかける高槻さんに、朝陽がそっと目を細めた。
「虹、ある?虹、する」
「また今度な」
「はる、虹あるって」
「うん、うん」
やっぱり、ほっこりするなぁ。
今日もまた、温かな1日。
~ Comment ~
春が朝陽には、少しお兄さんになるのが
好き(*´▽`*)
「朝陽、おしまい」を思い出して、
悲しくなった゜゜(´O`)°゜
でも、何だかんだ言ってたのにww
すぐに助言するヒロトに和んだ(´▽`)
好き(*´▽`*)
「朝陽、おしまい」を思い出して、
悲しくなった゜゜(´O`)°゜
でも、何だかんだ言ってたのにww
すぐに助言するヒロトに和んだ(´▽`)
コメ返
2人は癒し系だと個人的には思っているので、2人でほっこりしていただけると私としてもとてもうれしいです(*´▽`*)
いつも読んでいただいてありがとうございます!
いつも読んでいただいてありがとうございます!
- #32 もこ
- URL
- 2017.06/28 17:40
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コメ返
朝陽、おしまい は冷たい春の中でも結構哀しいシーンでしたね><
ヒロトもなんだかんだ、朝陽が悲しい顔するのは嫌なので、優しくしてしまいます笑
ヒロトもそろそろ朝陽に好きって言えたらいいですね(*´▽`*)
ヒロトもなんだかんだ、朝陽が悲しい顔するのは嫌なので、優しくしてしまいます笑
ヒロトもそろそろ朝陽に好きって言えたらいいですね(*´▽`*)
- #33 もこ
- URL
- 2017.06/28 17:42
- ▲EntryTop
ほっこり