温かな春~(同性)小説サイト~

三上×レイ

生活③

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無理矢理手を引いて誘導すると、途中で払われて睨まれる。
それでもちゃんとついてはくるから、”自分で歩くから掴むな”とでも言うことだろうか。

以前よく行っていた、それなりに値段のする焼肉屋に入り座り込むと、
レイは案の定大きなため息を吐いた。


「……で、ここは何?」

「焼肉。食べたことない?」

「知ってはいるけど。別にこんなとこ来る必要あった?煙いし」


本当に、表情に変化のない男だと思う。
これがその辺の女であれば、”やったー!焼肉うれしいー!”なんてへらへらと喜ぶものだと思うのに。

「ここの肉ほんと美味しいから!」

「食べ物なんてどれも同じ」

全くもって食わせ甲斐のない男が目の前にいることは置いておいて、
久しぶりの焼肉に俺もテンションが上がる。

何を食べたいかなんてこいつに聞くのは野暮なので、
とりあえず一通り注文すると、金網で焼き始めた。

香ばしい良い匂いが漂ってくる。


「レイ、どう?良い匂いしない?」

「肉が焼ける匂い」


それが焼肉だろ!とこの冷めきった男に突っ込みを入れたくもなる。

焼きながらレイの皿に肉を入れていくと、彼はその度に不満そうな顔をした。


「……自分で食べる分だけとる」

「いやー焼肉初心者でしょ?焼き加減が良いところからとってあげるから!」

「迷惑」


眉を寄せながらも仕方なく口に含んだレイに、それ程表情の変化はみられない。

やっぱり、この肉でもダメなようだ。
レイの表情が変わるのは、本当にルイのことだけなんだよなぁ。

良い焼き加減の肉を頬張る。
肉汁が口の中に溢れて、美味しいという表現以外し難い。


これを特別美味しいと思わないのは、もしかしたらかわいそうなことなのかもしれない。




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