温かな春~(同性)小説サイト~

冷たい朝

きらきら

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暗がりのなかで、
春がバケツをぎゅっともっている。

それはすこし重いみたいで、
りひとが下からささえている。


「それ、はなび?」

「ううん、これは水だよ。
俺も花火は初めてだから……よく分からないんだけどね」


春も、初めてみたい。

春もぼくみたいに、すこしだけ胸がどきどきしたりしているのかなぁ。


辺りはまっくらで、小さな街灯のあかりがほんのりとてらすだけだった。


あまりにくらいと、すこし前までいたあの部屋をおもいだす。


そういえばさいきんは、痛い、ないなぁ。


「なんだか少し人間っぽくなってきましたね。
朝陽、でしたっけ?」

「蓮さんのばか!
人間っぽくじゃなくて朝陽君は人間なの!」

「少なくとも、施設にいた頃は人間には見えなかったですけどね。
感情やその表現が著しく乏しかったので」


レンさんは、前とちがう顔をするようになった。

なんと表現したら良いかわからないけれど、
なんか、やわらかいの。


「朝陽、花火開けていいよ」

「うん、うん」


くっついたところを、懸命に手でひっぱろうとする。

それはなかなか開かない。


「んー」

「ゆっくりで良いし。
出来なかったら言え」


ふと、昔のことをおもいだした。


ぼくへの簡素な食事は、
袋に入ったパンやおにぎりだった。


上手に開けられた時は、なかみが床に転がるていどだったけれど、

どうしてもあけられないとき、
ぼくは、袋に入って食べられないごはんの前で眠ったの。


「あけられなくても、はなびできる?」

「いや頑張れよ。
まあ、開けられなくても花火はできるよ。
お前以外は開けられるからな」


ぼくにできないことを、誰かが、ヒロトが、してくれる。


それは本当に、ふしぎなことだった。



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~ Comment ~

少し苦しい…

朝陽クンが少し前の事を思い出すのは心が痛くなる(>_<")
でも、その時との比較で、嬉しいや幸せをより一層感じられるのかも知れない…
今はすぐ傍に絋斗サンが、周りにも優しく温かい人達が居るから良かった♪
春クンも知らない事…早く体験して、ふたりのキラキラの笑顔が見たいなぁ(*^^*)

あさひ!
胸が痛い……
もう悲しいことは起こらないよ

だから、大丈夫。

春ちゃん登場に、りひとしさんとの絡みが楽しみでドキドキが増す!( 〃▽〃)

ひろと×あさひ
りひと×春ちゃん
ラブラブが見たいです!

ゔ〜

ちょと前のあさひちゃんはご飯しか楽しみが無いのに、それすら開けられなくて食べられない時もあったんだ……。やっぱり、施設長許せん。
でも、今は、ヒロトさんが人に頼む事をちゃんと教えてくれて、頼めばやってもらえる事も覚えたあさひちゃん。これからは、痛いも無いし、楽しいキラキラな事がたくさんあるからね。今は、花火のキラキラが早く見られるといいね。花火のキラキラを見て、キラキラ笑うあさひちゃんを、ババも早く見たいよ。

寒いッ。本当に寒くなりましたね。昼間のポカポカも日差しが陰るとブルブル震える寒さに。こんなんで、真冬を乗り切れるのか?と心配になります。どうか、もこさん、皆さん、あったか〜くしてお過ごしくださいませ。
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