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【  2017年10月  】 

せいかつ

冷たい朝

2017.10.31 (Tue)

 よるごはんをたべて、テレビの音をのんびり聞く。ヒロトがかちゃかちゃお皿を洗っておふろにいってしまうと、途端におへやは広くなったようにかんじる。ぼくは、誕生日?にしょおとゆうにもらったくまのぬいぐるみのうでをぎゅっとつかんで、ベランダのドアまで一生懸命はこぶの。それから、くまのおとなりで空をみあげる。ほしが、きらきら。星は、朝ではないのに、いつもきらきらしている。たくさんきらきらしているときは、次の...全文を読む

せいかつ

冷たい朝

2017.10.27 (Fri)

 あさごはんを食べたら、ヒロトはおさらを洗うよ。ぼくは絵本をよんだり、また絵を描いたりしてすごすの。文字は、ひらがなだけよめるようになったよ。ゆっくり指でおえば、分かるの。しばらくそうやって過ごしていたら、ヒロトがお風呂にお湯をいれてくれる。ぼくは、時間がかかるけど自分でも入れるようになったの。ヒロトはいつも、入る時と出る時にチェックするみたいにぼくを見てくる。それから、ため息を吐いて、ぼくの頭をそ...全文を読む

せいかつ

冷たい朝

2017.10.25 (Wed)

 あれから、ぼくとヒロトのせいかつは、つづいている。誕生日をもらったり、さくらをみたりしてすごした日々。あれは、"はる"というらしい。このせいかつがいつまでつづくか分からないし、ぼくには冷たいところがふつうだったから、今のせいかつがふつうになるのは、もう少しかかると思うの。毎日も、すこしずつおなじことが増えてきたよ。まず、ぼくが朝目が覚めたら、ヒロトは少しだけあきれた顔をする。ふとんから飛び出し、まど...全文を読む

あさ

冷たい朝

2017.10.23 (Mon)

 光は消えない。なくならない。そこにずっとあって、ただかがやく。「あさ、好き」それ以外の表現は、よく分からなかった。笑うとか、泣くとか、そういった表情のはなしを、施設長さんはよくしていたけれど。ぼくには、なんにも分からないの。この気持ちを伝えたいのになぁ。「朝陽、外はもう良いからごはん食べるよ」「ごはん、いらない。朝見る」呆れたようなヒロトのため息がきこえた。ぼくは、ベランダにはりつくようにして朝を...全文を読む

あさ

冷たい朝

2017.10.21 (Sat)

 体中が痛くてたまらなくて目がさめた。おきた、おきたの。朝はどこにあるのだろう。体をのりだしたら、つよく打ち付けられておもわずうめいた。それでも、手と足を一生懸命にうごかしてすすむ。おくの部屋には、ヒロトがいた。そういえば、ヒロト一緒だったの。ヒロトは先におきていたから、きっともう朝をみたのかもしれない。「何ベッドから落ちてんの」「起きた…っあさ、ある……?」「そりゃあるよ」心臓がどきどきした。本当に...全文を読む

あさ

冷たい朝

2017.10.18 (Wed)

 ごはんをたべて、お風呂にはいって、まだまっくらな空をながめていたら、ヒロトはぼくをソファに寝かせたよ。寝たら、朝がくるんだって。ぼくは、あさがみたいの。「ここ、ふかふか、やわらかい」「それソファで、ベッドではないけどな」「こんなところで、寝て良いの?」「嫌だけど、仕方ないだろ。俺が朝陽を連れ帰ってしまったんだから」心がうれしいっていう。思わず口元がほころびそうになるけれど、顔がはれ上がっていて、上...全文を読む

あさ

冷たい朝

2017.10.16 (Mon)

 よく分からないけれど、ぼくもヒロトになると面倒くさいんだって。それならやっぱりぼくは、お名前ないの。知らない味を噛んでいたら、ヒロトがため息を吐く声が聞こえた。「……お前、朝の光が見たいんだろ」「うん、そう」「なら、朝陽で良いんじゃねーの?」「……あさひ……?」その響きは、こころにおひさまがあたるみたいに温かくかんじた。「……あさひ、きれい」いま、ヒロトがくれたものがお名前だというのなら、ぼくは、うれしく...全文を読む

あさ

冷たい朝

2017.10.14 (Sat)

 目がさめたら、いつもと違う場所にいた。つめたくもないし、変なにおいもしない。施設長さんがいっていたように、あの四角のおうちからでられたのかなぁ。体をおこしたら、ずきずきした。このおうちは、どこ?あたりを見回すと、カーテンの隙間からまっくらが見えた。這うようにしてそこにおでこをくっつけるけれど、やっぱりまっくらだ。これはきっと、外にでられる窓なの。そして、このまっくらが、お外なの。「あさ……ない」「お...全文を読む

おかえりとさよなら

冷たい朝

2017.10.11 (Wed)

 少しずつ、いたみがやわらいでいくようにかんじる。まぶたが重くて、意識がなくなりそうっておもう。「……ここで、寝たらだめ?」「だめに決まってるだろ、俺ももう帰るし」「……ここ、ベッド、すき。外に出たら、どうやったらこんなベッドでねむれるの?」「そんな心配はしなくて良いと思うけど」「そうなの、深く考えなくてもベッドで眠れるってこと?」それは、なんてうれしいことなのだろうとおもう。ぼくは、ずっと冷たい床でね...全文を読む

おかえりとさよなら

冷たい朝

2017.10.09 (Mon)

 「いたみ……どめ」「痛み止めもお金がかかるんだぞ」「……痛い、よう」目の前がちかちかして、痛い、以外のことばがうかばなかった。きっとみんなこんな風になっているのに、どうしてみんなは、痛いっていわないのだろう。やっぱりこれは普通のことで、きっとぼくに、堪え症がないのだとおもう。「言っとくけど、痛みを瞬間的に止めたところで切れたら痛いんだからな」「……う、ん」ふいに、うでの中に針がはいっていくのがわかった。...全文を読む

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