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【  2017年10月  】 

おかえりとさよなら

冷たい朝

2017.10.07 (Sat)

 痛いのくりかえしのなかで、ぼくは、ずっとパンと朝のことをかんがえていた。パンを一生懸命あけて、ほおばるときのあのしゅんかん。そして、もうすぐ朝がみられるということ。「ねえ、こんだけ好き勝手やられてるのに、悲鳴のひとつもあげないの?お前って本当に人間じゃなくなっちゃったんだねぇ」痛いが激しいところをみたら、腕がぱっくりときれていて、そこから赤いものがだらだらとながれていた。きっとまた、高槻さんが血を...全文を読む

おかえりとさよなら

冷たい朝

2017.10.05 (Thu)

 体中にはしる痛みははげしくて、それは普通のことなのだけれど、いつもより、ながいと思った。「人形ちゃん」それでも、にんぎょうってよばれると少しだけ胸がきゅってなる。きっと、これはぼくのお名前なのだ。ずっとずっと生きていて、ずっとずっとなかったお名前。「お前さ、ずっと外に出たいって言ってたよね?出してあげるよ。次すごく痛いのに耐えられたら」「おそと?」ふみつけられたり、なぐられたりする中で、施設長さん...全文を読む

おかえりとさよなら

冷たい朝

2017.10.03 (Tue)

 少し眠っていたと思う。冷たくて、寒くて目をあけたら、体はみずびたしになっていた。目の前に施設長さんとエーさん、ビーさんがいて、ビーさんは、バケツをもっていた。きっと彼が、お水をかけたのだとおもう。「お前さ、春がいなくなってるんだけどー?」施設長さんは、笑っていた。笑っていたけれど、少しだけ苛々していることも分かる。「どうして教えなかったの?足音とかで、気づいたよね?」「春、さよなら?」「お前さ、ほ...全文を読む

おかえりとさよなら

冷たい朝

2017.10.02 (Mon)

 それから少し時間がたったくらいに、誰かが入ってくる足音がしたよ。お部屋のドアをあけてのぞいたら、春は、だれかに抱っこされていたの。となりには、”レンさん”もいた。春をだっこしている人は、すぐに、”みやぎさん”なのだと分かったよ。くやしそうな、泣きそうな目で春を見ていたけれど、春をみる目は、あたたかかった。きっとね、春は外で、朝と大切な人を手に入れたの。そしてその人が、おかえりって、ただいまって、お迎え...全文を読む

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