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温かな春~(同性)小説サイト~

思いのままに小説を書いたり、twitterでのリクエストにこたえたり、 作品に対する思いや秘話など語っていくサイトです。「冷たい春」の番外編を主に書いていますので、本編がまだの方は本編の方からぜひ読んでみてください!(Twitterに本編URLあります) twitter:@moco_ice

たかなり

冷たい朝


くちゅくちゅという音が耳にとどいて、
しんぞうがどきどきしてふさぎたくなるのに、
ヒロトがぼくの手を押さえているからそれもできない。


「ぼくのが、おかしくなってから、いつも、してたのに」

「充分おかしくなってるだろ、これ」

「ちがくて、今は、そうだけど、ちがくて」

「はいはい、言いたいことは分かるよ。
お前が変なこと考えて何か一生懸命だから俺の方がおかしくなった。これで良い?」

ヒロトの声がよくきこえる。
やっぱり、どきどきするけれど、
耳をふさぎたくなんてないの。

言葉がうまくわからなくても、
ヒロトが、いま、
ぼくをみてくれていることは、よくわかる。


「ん」

「なーに?」

「んー」

「だからなに」

「おてて」

「あ?繋いでるし、気持ちいことしてやってるだろ」


ヒロトの手は、いつだって、いたみどめ。
昔から、ずっと、ずっと。

そのヒロトの手が、
ぼくだけにふれている。


そう思うと、もうたまらなかった。


「でるの、でるの……っ」

「お前、ほんと堪え性ないな。
感度良すぎるんだって。まだ我慢しろ」
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たかなり

冷たい朝


どんな感じか、と聞かれてはじめて、
それにこたえようとがんばって力をぬいた。

「ん?どんな感じ?」

痛くはなかった。
いたいを覚悟してからだはおびえてしまってはいるけれど、
それでも、痛くはない。

「言えねーの?」

あ、笑った。


ヒロトが、ゆるく、すこしだけ意地悪に、笑った。


「語彙力ねーもんな。お前。
言葉教えてやろうか」

ぴりぴりとした刺激につつまれ、息がつまる。

ヒロトがぼくのを握ったて擦っているとわかると、
とてつもなくどくどくする。


「気持ちいい。言え」

「も、ち」

「気持ちいいだよ、ばか。
あーなんかとてつもなく悪いことしてる気持ちになる」

「気持ち、いいの?」



ことばにしたら、
どうしようもない感覚がかけめぐった。

ぼくの意思と関係なくからだがぴくぴくとはねて、
先からだらだらとこぼれる。


よくわからない感覚にからだをよじって逃げようとしたら、
片方の手をにぎられて制された。


「何回もされてきたんだろ?これ」


でも、これは、ちがうの。


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たかなり

冷たい朝


こころがどくんどくんと音を立てて、
くちびるがかすかに震えた。

「でも、でも」

「でも?」

「ぼく、したいしたいって、なってなかった、のに」

「俺がしたくなった」


ちいさく息を吐いたらひきよせられて、
ヒロトのこころの音がきこえた。


ヒロトも、どきどきしている。


「触るけど、いーの」

「……っいたい?」

「痛くない。覚えろ」


ヒロトの視線がしたへとさがって、
露わになったそこをみているのがわかる。


はずかしい。


また、よく分からない感情にとらわれる。

みられるのが嫌とはちがうけれど、
うまく息ができなくて、にげだしたくて、
どくんどくんとなる音をとめられない。


「ほんと、こんな小ぶりでなんで発情するんだか。俺も。
こんな小さいのに、もう泣いてる」


電気が走るような感覚が
ゆるゆるとかけめぐって、目をぱちぱちとさせる。

ヒロトの長いゆびが、
ぼくのものにつたうようにふれている。


いつもいろんなことをそつなくこなす指なのに、
ぼくのそんなところに触れる意味なんて、あるのだろうか。


「さ、さわらなくて、いーの」

「触るけど?」

「でも」

「良いからだまって感じてろ。
痛いわけないよな。
朝陽、今どんな感じだ?」
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できること

冷たい朝


「うるせーな。
何もわかんないクセして。
あたったことにしとけっつーの」

「でも、ヒロトからきた」


抗議しようとことばをだしたら、
もういちどくちびるが奪われて、
息ができなくなった。


「……ん」

「お前がお前でいれば、
たくさんできていることもある。
でないと、オトコにこんなことしようなんて思わねーよ」


ヒロトのことばはときどき難しくて、
何がいいたいのか、よくわからなくもなる。


それでも、
あたたかくて、
どきどきして、すき。


「くそ。
こんなガキに、俺の方が発情する」

「はつじょう?
気分、わるいの?」

「悪いっていったら?」

「よくするの」

「じゃあ良くしろよ」


ズボンに手をかけられて、ぱちぱちとまばたきする。

その行為は、もしかして、そういうことなのだろうか。


「さいきん、これ、してなかったの」

「まあ、そうだな」

「してなかったから、だめなの」

「何?
ずっとこういうことばかりしてきたくせに、
今更恥ずかしい感情とか覚えたの?」


体があつくなる。
これは、ヒロトと密着する、あれなの。

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できること

冷たい朝


こころがきゅっとしめつけられるような、
それでいてぽかぽかと温まるような感覚に、
うまく呼吸ができなくなる。

「少しずつ教えてやるよ。
だから、勝手にやるな。
家の中がめちゃくちゃになる」

「わかったの」

「覚えたら思いきりコキ使ってやろ」

「コキ?」


よくわからないけれど、
ヒロトのもとめることならなんでもよくて、頷いた。

そしたらヒロトはため息を吐いて、
ぼくをじっとみつめたの。


「気分わるくね?」

「頭ごつんしたから?
ぜんぜん、平気なの」

「あっそ」


後頭部から冷たいのが消えたかとおもうと、

とうとつに、
ヒロトの顔が近づいてきて、ぼくのくちびるを覆う。


あまり慣れない感覚にぱちぱちと瞬きしたら、
ヒロトは少しバツが悪そうに目をそらした。


「なにしたの?」

「あー?あぁ、なんか、あたった」

「ヒロトからきたの。
あたった、ないの」


こころが騒ぎはじめる。
どきどき、どきどきって。

ぼくは最近、
ヒロトといると、
こころがもやもやしたり、しずんだり、
温かくなったり、さわいだり、変。
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